【防犯カメラについての議論】2019年10月9日 第二回防犯カメラ住民説明会要旨

2019年10月9日 第二回防犯カメラ住民説明会の要旨を下に掲載いたします。

========================================================================

カメラメーカーを代表してキング通信工業 宮藤さん、高山さん

カメラ本体は映像記録媒体としてSDカード2枚を内蔵し、1枚3.5日、2枚で一週間を記録する。記録は10分刻みに1ファイルとして保存され、2枚のSDカードが一杯になったところで、最も古いファイルから上書きされてゆく。記録の取り出し方法は二つあり、ひとつは本体の鍵を開けて中のSDカードを抜き出す方法、もう一つはカメラの下にパソコンを持って行って、Wi-Fiで接続して記録を抽出する方法がある。7年間の保証と保守契約があり、この間は無償で対応する。

 

駒込警察生活安全課課長代理、富高さん

防犯カメラを付けることの意義は、犯罪の防止である。犯罪者は自分の姿が記録されるのを最も恐れるので、防犯カメラは絶大な威力がある。検挙に用いることもあるのだが、いくら検挙しても、犯罪が起きてしまうと被害者の心の傷は癒えない。国際的にカメラの普及率を見ても、世界各国で当たり前のようになっている。プライバシーに関しては、警察が深入りしてみることはなく、心配はないと思う。

 

画像の閲覧方法について

Wi-Fiを用いる場合、電波到達距離はカメラの真下程度。メンテナンスも画像の吸い上げも、設置したカメラの真下にパソコンを持って行っておこなう。閲覧には、あらかじめ納品時に配布されるCD-ROMからコピーした専用のビュワーソフトを用いる。

SDカードを使う場合は、まず町会が保管するカメラ本体の鍵でSDカードスロットカバーを開錠し、SDカードを取り出す。作業は、警察の依頼を受けたキング通信工業(株)が高所作業員を派遣して行う。警察はパソコンでそのSDカードの中に入っている専用のビュワーソフトを起動し、IDとパスワードでログインして画像を閲覧する。

町会では、記録画像を閲覧することは技術的に不可能ではないのだが、文京区に提出した規約上では町会は閲覧してはならないことになっている。このため、町会がパソコンを用意する必要はない。

 

防犯カメラの設置準備にあたって

設置するにあたって他の町会などで問題になりやすいのが、住民からの設置を拒否するクレームである。設置に先立って周辺の住民に話を通しておくことが重要である。

●蓬莱町会では、役員が設置区域の住民をまわって、了解を得ることとする。

●必要であれば、画像の一部を塗りつぶすマスキングを施したり、レンズの向きを変えたりする。点検や清掃の際に併せて作業することでよいのなら、無料で行える。

 

カメラの設置位置について

現在計画されている6台のカメラの設置位置についての判断基準は、まず駒込署の前生活安全課課長代理が、ここに付ければ犯人の逃走や車両の移動を網羅できるであろうということで当初9カ所を挙げた。それを町会長と防犯部長らが実際に見て歩き、ある程度大きな通りを中心に6カ所に絞った。

これに対し町会員からは、

「場所によっては民家の路地についている個所もあり、プライバシー侵害などの懸念もあるので大通りに設置するなど、もう少し検討すべき」

との意見も出された。ただ、すでに現在の案が設置場所として区に申請されてしまっているので、変更する場合には変更届を出すことになるとのこと。

さらに、大通りは無電柱化が進められていることと、高圧線が入っている電柱にはカメラは設置できないということで、設置できる電柱が少ないという事情もある。

最終的な設置位置については、いったん設置した後にカメラの実際の画像を住民に示して、角度や位置の調整、マスキング等の処理を施して決定することとする。

 

プライバシー保護について

動画ファイル、動画から生成した静止画、SDカード、いずれもコピーは可能。

地域住民からの閲覧の希望には応じない。

警察への画像情報提供の頻度については、統計はとられていない。ただ、警察側の感覚としては、他の所轄に比べて駒込署管内はとても平和なところなので、さほど情報提供が求められる心配はないのではないかと見込んでいる。

 

画像の管理について

町会員からは、

「町会で記録する利用閲覧簿や提供記録簿の内容を、カメラのSDカード取り出しの記録と照合しなければならないと思うが、カメラ本体からSDカード取り出しのログはとれるのか」

という質問が出され、キング通信工業からは可能か否かの詳細が不明なため、確認して後日報告をもらうことになった。

駒込署からの説明では、警察が画像の閲覧を求める際には、捜査関係事項照会書という書類が発行され、それに基づいて町会とキング通信工業がSDカードの取り出し等を行うということである。捜査関係事項照会書は令状とは異なるが、令状と同様、刑事訴訟法に基づく提供依頼書であり、どのカメラの何時から何時までの画像が見たいか、犯罪名などの閲覧の理由が記されており、個人を特定できる情報は記載されていない。

ただ、町会員からは、

「画像提供を求めるための法的根拠の明確性という点で、閲覧の申し入れは令状に基づくべきである」

などの意見が出された。